研修会やゼミで講師をするときに気を付けているのは第一に分かりやすさです。第二に声の大きさです。大きな会場は別にして、なるべくマイクは使わないようにしています。その代わりに最後部の席の受講生が楽に聴こえる声の大きさを常に意識しています。また、数いる受講生には予備知識や理解度に個人差があります。それは反応や顔を見てこちらも話のレベルを臨機応変に変えます。
一方、受講生の側の時には講師のテクニックを観察しています。立ち位置が違うだけで、受講生に個人差があるのは変わりません。ツルは言うまでもなく理解度は悪いほうです。しかし、そんなツルにさえ付いてこれない受講生だっています。その受講生を見ると、明らかに困惑している様子が分かるのです。理解が止まっているのに講義はどんどん先に進むからです。
そんなとき、ツルは手を挙げます。そして先程の済んだ部分の再確認として講師に繰り返しの説明を求めるのです。
これは、付いてこれないで困っている受講生のためと、講師への嫌味が含まれています。(笑)
ある会社の研修会で、外部から著名な講師が呼ばれました。
ツルは受講生で参加です。始まりと同時にレジュメが配られました。
そこには、〇通 十訓を筆頭に、多くの五つの〇〇だ、七つの〇〇だ、のオンパレードでした。もうそれを見て辟易しました。講義が始まり、講師は自分の発言に受講者が頷く仕草を喜んでいて、頷かない受講生を見つけると、暗に、頷くことを強要するようになってきました。
「頷くことが講師に対するマナーだ!」とまで言ったのです。
そんなの聞いたことも食ったこともない。く〇くらえ!と思い、
ツルの辟易度は最高潮に達しました。もう絶対に頷くものか!と決め、無視することにしました。その時です。壇上から駆け下りた講師が真っ直ぐにツルのいる会議テーブルに駆け寄り「ツルーっ!」と叫んでテーブルの天板の向こう側面を蹴りつけてきたのです。蹴り出されたテーブルは見事にツルの腹部を激しく押し付けました。瞬時に「殴ろうか!」とも思いましたが、苦しくて動けませんでした。講師はかなりの年配でしたから、そのあとはツルはおとなしくしていましたが、最後まで頷きはしませんでした。(ちっちゃい野郎だ・・・つるが!)講義が終わった後、受講生達の間ではツルは色んな意味で有名人になりました。
過日、消防署の研修に参加しました。(ツルは上級救命講習修了者なのです)
講師が「皆さん、消防車は年間何回くらい出動していると思いますか?・・・〇〇回なんですよ!」と驚くような大きな数字を言う講師。
それを聞いた瞬間、ツルは手を挙げました。「先生。それだったら年間の数ではなく、一日平均の数のほうが理解しやすいと思います」
その時、講師の顔色が変わった。その日の実技含めての講習会はツルにとって罰ゲームの連続となりました。(分かりやすい先生だ・・・)
長くなりました。夜の講習の話を始めるときりがないのでこの辺で。
以上の通り、色んな読者が訪問するであろうこちらのブログでは、ツルはわざと分からないふりをする可能性がある、いやらしい奴なんだと告白しました。と思わせておいて、本当は本当に分かっていないことを知られたくないためのフリであったという「いやらしさ」でした。 どっちだ!